OA機器処分の正しい方法とは?データ消去や廃棄の注意点を解説

パソコンやコピー機、複合機などのOA機器は、耐用年数を迎えたり買い替えたりするタイミングで処分が必要になります。しかし、OA機器には業務で扱った機密データが保存されているため、家庭ごみと同じように処分すると重大な情報漏えいにつながるおそれがあります。
また、廃棄物処理法をはじめとする法令への適切な対応も不可欠であり、正しい手順を踏まなければ思わぬトラブルや罰則を招く可能性もあります。
本記事では、OA機器を処分する前に押さえておきたいポイントや、確実なデータ消去の方法、処分時の注意点などをわかりやすく解説します。
OA機器処分前に確認すべきこと
OA機器を処分する際は、すぐに回収業者へ依頼するのではなく、対象となる機器を整理し、保存されているデータや社内ルールを事前に確認しておきましょう。
対象機器の洗い出し
最初に行うのが、処分対象となるOA機器の洗い出しです。パソコンやプリンター、複合機だけでなく、外付けハードディスクやUSBメモリ、サーバーなども対象になるため、見落とさないよう注意しましょう。
部署ごとに機器を管理している場合は、「処分予定だった機器が現場に残っていた」といった事態が起こりがちです。総務部門や情報システム部門が中心となって各部署へ聞き取りを行い、一覧表を作成しておくと抜け漏れを防ぎやすくなります。
保存データの確認とバックアップ
処分する機器が整理できたら、保存されているデータを確認します。業務資料や顧客情報、会計データなど、今後も必要になる可能性があるデータは、処分前に必ずバックアップを行いましょう。
データを消去したあとで必要な情報だったと気付いても復元することはできません。特に、複数の社員が共同で利用しているパソコンなどは、関係者へ事前に聞き取りを行い、バックアップ漏れがないよう慎重に進めることが重要です。
社内セキュリティ規程の確認
企業では、情報資産の管理方法について社内規程(セキュリティポリシー)を定めています。OA機器の処分についても、データ消去の具体的な方法や承認手順、委託先の選定基準などが規程に盛り込まれているケースがあります。
担当者の自己判断だけで処分を進めると社内規程に違反するおそれがあるため、作業前に内容をチェックしておきましょう。規程がまだ整備されていない場合は、今回の処分を機にルールを明文化しておくと今後の運用がスムーズになります。
資産管理台帳との照合
企業で使用しているOA機器は、多くの場合、資産管理台帳で管理されています。処分前に台帳と照合し、型番やシリアルナンバー、取得年月日などの情報が一致しているか確認しましょう。
この作業によって、台帳の記載内容と実際の機器に違いがないかも把握できます。処分が完了したあとは、資産管理台帳から除却(資産としての登録を削除する手続き)を行い、管理情報も忘れず更新しておきましょう。
OA機器のデータ消去方法
必要なデータのバックアップと確認が終わったら、次はデータを消去します。単にファイルを削除したり、ごみ箱を空にしたりするだけではデータは消えず、復元されるおそれがあります。ここでは、主なデータ消去方法を紹介します。
専用ソフトでの上書き消去
もっとも一般的な方法は、データ消去専用のソフト(例:Blancco Drive Eraser)を使った上書き消去です。ハードディスクやSSD(データを保存する記憶装置)の全領域に対して、無意味な文字列のデータを複数回上書きすることで、元のデータを読み取れない状態にします。
ソフトウェアだけで作業が完了し、機器本体を壊さないため、データ消去後も機器を再利用(買取など)に回せる点が大きなメリットです。
復元不可能なフォーマット処理
パソコンのOSに標準搭載されている通常の「フォーマット(初期化)」は、データの「目次(管理情報)」だけを消す仕組みです。そのため、データ本体はディスク上に残っており、市販の復元ツールを使えば簡単に情報が取り出されてしまう危険があります。
OS標準機能に頼るのではなく、前述の専用ソフトを用いた「完全消去フォーマット」を実行するか、ドライブ全体を暗号化してから鍵を破棄する「暗号化消去」などを組み合わせるなど、復元不可能な確実な処理を行う必要があります。
ハードディスクの物理破壊
より確実性を求めるなら、ハードディスクやSSDを本体から取り出し、物理的に破壊する方法もあります。専用の破壊機で記録媒体に穴を開けたり、プレス機で強力に圧縮して基板を砕いたりすることで、データを読み出せない状態にします。
機器は二度と再利用できなくなりますが、データが復元されるリスクを物理的にゼロにできるため、極めて機密性の高い情報を保存していたOA機器の処分に適しています。
磁気を利用した電磁消去
ハードディスクは磁気の力でデータを記録しているため、外部から強力な磁力を浴びせて記録内容を一瞬で破壊する方法もあります。これを「電磁消去(磁気消去)」と呼びます。専用の消磁装置を使用すれば短時間で処理でき、ディスクを分解する手間も省けます。
ただし、フラッシュメモリを使用している「SSD」や「USBメモリ」には磁気を使わないため、この方法は全く効果がありません。処分する機器の記録方式をあらかじめ確認したうえで適した方法を選びましょう。
OA機器の処分と廃棄の方法
データを確実に消去したら、次はOA機器本体を処分します。機器の所有形態によって適切な方法が異なるため、それぞれの状況に応じて選びましょう。
リース・レンタル機器の返却
複合機やパソコンをリース契約やレンタルで利用している場合は、自社の所有物ではないため、契約満了後に貸主(リース会社など)へ返却するのが原則です。
返却前には、ユーザー側の責任としてデータを消去しておくのが基本ルールです。また、返却先によってはデータ消去証明書の提出を求められる場合もあるため、契約内容をあらかじめ確認しておくとスムーズです。
産業廃棄物としての処理
自社で所有しているOA機器を「廃棄(ゴミとして処分)」する場合は、「産業廃棄物」として処理しなければなりません。家庭ごみのように粗大ごみとして出すことは法律で禁止されています。
処分する際は、自治体から産業廃棄物の「収集・運搬業」および「処分業」の許可を受けた専門業者へ依頼します。無許可の業者に引き渡してしまうと、依頼した企業も不法投棄などの法的責任を問われる可能性があるため、業者の選定は慎重に行う必要があります。なお、パソコン本体については「資源有効利用促進法」に基づき、メーカーによる回収制度も利用できます。
買取サービスの利用
まだ正常に動作するOA機器であれば、廃棄ではなく「買取サービス」を利用する方法もあります。業者に有価物として買い取ってもらうことで、廃棄費用を削減できるだけでなく、資源のリユースにも貢献できます。
パソコン回収・買取業者へ依頼する際は、買取後の再流通ルートや、自社に代わってデータ消去を行ってくれるサポート体制があるかを確認しておくと安心です。
OA機器処分時の注意点
OA機器を処分する際は、処分方法だけでなく、法令に基づく手続きや書類管理にも注意が必要です。ここでは、実務担当者が押さえておきたいポイントを紹介します。
データ消去証明書の取得
データ消去を専門業者へ委託した場合は、必ず「データ消去証明書」を発行してもらいましょう。証明書には、対象機器のシリアルナンバー、消去を実施した日時、用いた消去方法などが詳細に記載されます。
万が一、将来的に情報漏えいが疑われるような事態が発生した場合でも、自社が所定の安全な手順でデータを消去したことを客観的に証明できます。
マニフェストの確認
OA機器を「産業廃棄物」として処分する場合は、法律により「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」の交付と管理が義務付けられています。
マニフェストは、自社が出した廃棄物が収集・運搬され、不法投棄されずに最終処分まで正しく完了したかを追跡・確認するための書類です。処分業者から最終処分の完了報告を受け取るだけでなく、このマニフェストを「5年間保存」する義務が排出事業者に課せられているため、厳重な管理が必要です。
関連法令の遵守
OA機器の処分には、廃棄物処理法や資源有効利用促進法のほか、個人情報保護法など複数の法令が関係します。特に、顧客情報や従業員の個人データを保存していた機器は、個人情報保護法が定める「安全管理措置」の一環として、確実なデータ消去と適切な廃棄が求められます。
法令やガイドラインは定期的に見直されるため、処分を担当する部署では常に最新のルールを把握しておくことが大切です。
処分業者の選定基準
処分業者を選ぶ際は、価格の安さだけで決めるのは危険です。廃棄する場合は産業廃棄物処理の許可を取得しているか、買取や回収を依頼する場合はデータ消去の実績やセキュリティ体制が整っているかをチェックしましょう。
また、消去証明書を発行できるか、データ消去を自社内で完結しているのかを確認することで、情報管理の信頼性を判断しやすくなります。複数の業者から見積もりを取り、サポート体制を比較したうえで選びましょう。
まとめ
OA機器を処分する際は、ただ機器を捨てるだけでなく、確実なデータ消去、適切な処分ルートの選定、そして関連書類の管理までをセットで進めることが重要です。特にハードディスクやSSDには個人情報などの機密情報が保存されているため、機器の仕様に適した消去方法を選び、情報漏えいリスクを徹底的に排除しなければなりません。
また、自社所有の機器を「産業廃棄物」として捨てる場合は、厳格なマニフェスト管理や許可業者の選定など、実務担当者にとって大きな負担が伴います。
OA機器の処分にかかる手間とコストを削減し、安全に手放したい場合は、有価物として引き取る専門業者へ依頼する方法がおすすめです。アールキューブの「法人向けパソコン回収サービス」なら、法人向けパソコンの他、サーバー、コピー機、ネットワーク機器などの回収から確実なデータ消去まで一括で対応しています。産業廃棄物ではなく「有価物」として回収するため、面倒なマニフェスト管理などの廃棄物処理手続きが不要になる点も大きなメリットです。
処分に伴う事務負担をできるだけ減らしたい方や、データ消去までまとめてプロに任せたい方は、アールキューブの「法人向けパソコン回収サービス」をぜひご検討ください。



