サーバー処分の方法とは?データ消去や注意点について解説

オフィス移転やシステムの入れ替えに伴い、「不要になったサーバー処分をどう進めればよいか」と悩む担当者は少なくありません。サーバーには、企業の機密情報や従業員・顧客の個人情報など、重要なデータが数多く保存されています。そのため、一般的なパソコンよりも厳重なデータ消去と慎重な取り扱いが必要です。
特に、製造業や医療機関、教育機関など、高いセキュリティ基準が求められる組織では、情報漏えい対策を十分に行わなければなりません。
本記事では、安全にサーバーを処分する方法をはじめ、注意点やデータ消去の方法についてわかりやすく解説します。
サーバー処分前に確認すべきこと
サーバーを処分する前には、事前準備が必要です。十分な確認を行わずに進めると、業務停止やデータ消失などのトラブルにつながる恐れがあります。ここでは、処分前に確認しておきたい3つのポイントを紹介します。
保存データの棚卸しとバックアップ
まずは、サーバー内のデータを整理しましょう。次の環境へ移行するデータと、不要なデータを明確に切り分ける作業が必要です。事前に棚卸しを行っておくことで、移行後の運用もスムーズになります。
業務システムのデータベースや共有ファイル、ログデータなどを確認し、今後も利用する可能性があるデータは、別のサーバーやクラウドストレージへバックアップしてください。
バックアップ後は、正常に復元できるかどうかも必ず確認しましょう。サーバーを処分した後では、データを取り戻せません。作業を急がず、一つずつ確実に進めることが大切です。
社内セキュリティ規程の確認
次に、自社のセキュリティポリシーや情報管理規程を確認します。多くの企業では、情報資産を廃棄する際の手順や承認フローが定められています。規程に沿わずに処分を進めると、内部監査や第三者認証(ISO 27001など)で指摘を受ける可能性があります。
医療機関や教育機関など、個人情報を多く扱う組織では、関連法令や関係省庁のガイドラインの確認も必要です。
また、処分方法によっては、データ消去証明書の保管や取引先・行政機関等から提出を求められる場合もあります。情報システム部門だけでなく、法務・コンプライアンス部門とも連携しながら進めましょう。
資産管理台帳との照合
サーバーは固定資産として管理されているケースが多いため、処分前に資産管理台帳との照合を行います。台帳上の管理番号や機器情報と実機の内容が一致しているか確認し、処分後は経理部門と連携して台帳の更新を進めましょう。
また、リース契約中の機器が含まれている場合は注意が必要です。自社所有ではないサーバーを誤って廃棄すると、契約上のトラブルにつながる恐れがあります。資産管理台帳の確認は、単なる事務作業ではありません。処分ミスを防ぐためにも、必ず実施しておきたい重要なチェック項目です。
サーバーのデータ消去方法
サーバー処分で特に重要なのが、確実なデータ消去です。単にデータを削除したり、OS上で初期化したりするだけでは不十分です。専用ソフトを使えば、削除したデータを復元できてしまう可能性があります。
情報漏えいを防ぐためには、第三者がデータを読み取れない状態にすることが重要です。ここでは、代表的なデータ消去方法を紹介します。
専用ソフトでの上書き消去
ハードディスクやSSDの全領域に、無意味なデータを上書きして元のデータを消し去る手法です。「Blancco」や「BitRaser Drive Eraser」などのツールが代表的で、国際的なセキュリティ規格に基づいた方式で複数回の上書きを行います。
この方法のメリットは、記憶媒体を物理的に破壊しないため、サーバー本体の再利用や買取につなげやすいことです。ただし、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)は構造上の特性から、ソフトウェアによる上書きだけでは完全に消去できないケースがあります。使用している記憶媒体の種類に応じて、適切な方法を選びましょう。
物理破壊
専用の破壊機を使い、ハードディスクなどの記憶媒体に穴を開けたり、変形させたりして破壊する方法です。内部の記録部分が物理的に損傷するため、データを読み出すことはほぼ不可能になります。確実性が高い方法として広く知られており、特に機密情報を扱う企業や組織で採用されています。
破壊後の状態を目視で確認できるため、安心感を得やすいのも特徴です。ただし、物理破壊を行った機器は再利用できません。基本的にはスクラップとして処分することになります。さらに、破壊後の廃棄物は産業廃棄物として適切に処理する必要があります。処分費用や廃棄の手間も含めて検討するとよいでしょう。
電磁消去
強力な磁場を発生させる専用装置を使い、記憶媒体の磁気データを破壊する方法です。ハードディスクへの効果が高く、内部の記録情報を読み取れない状態にできます。短時間で大量のメディアを処理できるため、処分対象のサーバーが多い場合にも適しています。
ただし、電磁消去を行った後のハードディスクは、OSを起動できない状態になります。そのため、再利用や買取は難しくなります。また、SSDや光学ディスクには効果がないため、利用できる記憶媒体に制限がある点にも注意が必要です。
オンサイトデータ消去
オンサイトデータ消去は、業者がオフィスを訪問し、サーバーの設置場所でデータ消去を行うサービスです。機器を社外へ持ち出さずに処理できるため、輸送中の情報漏えいリスクを抑えられます。
作業には担当者が立ち会えるケースも多く、消去完了後に証明書を発行する業者もあります。病院や官公庁など、セキュリティ上の理由から機器を外部へ持ち出しにくい組織に適した方法です。
サーバー処分と廃棄の方法
データを適切に消去した後は、サーバー本体をどのように処分するかを決める必要があります。主な処分方法は大きく以下の3つに分かれます。
専門業者への委託と買取利用
もっとも一般的なのが、IT機器の回収や処分を専門とする業者へ依頼する方法です。業者によっては、サーバーの状態や年式に応じて買取に対応している場合もあります。処分費用を抑えられる可能性があるため、まずは査定を依頼してみるとよいでしょう。
また、回収からデータ消去、廃棄や買取までを一括で対応している業者もあります。こうしたサービスを利用すれば、担当者の負担軽減にもつながります。複数台のサーバーをまとめて処分したい場合は、一括回収に対応しているかどうかも事前に確認しておくとスムーズです。
業者選びでは、価格だけで判断しないことが重要です。ISO 27001認証を受けているか、産業廃棄物収集運搬業の許可を取得しているか、データ消去証明書を発行できるか、十分な実績があるかなどもチェックしておきましょう。
メーカーや販売店の下取り
サーバーを購入したメーカーや販売店によっては、新機種への入れ替えに合わせて下取りサービスを提供している場合があります。機器の更新と処分を同時に進められるため、手続きをまとめやすい点がメリットです。一方で、下取り価格や対応範囲はメーカーごとに異なります。事前に条件を確認しておきましょう。
また、データ消去の対応範囲も重要な確認ポイントです。下取り前に自社でデータを消去する必要があるのか、あるいはメーカー側で対応してもらえるのかを確認してください。あわせて、データ消去証明書を発行してもらえるかどうかもチェックしておくと安心できます。
産業廃棄物としての処理
サーバーは産業廃棄物に分類されるため、一般ごみや粗大ごみとして処分することはできません。廃棄する場合は、産業廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者へ依頼し、適切な方法での処理が求められます。
また、処理を委託する際には、「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」の交付と保管が必要です。マニフェストは、廃棄物が適切に処理されたかを確認するための書類です。排出事業者としての責任を果たすためにも、適切に管理しなければなりません。
許可を持たない業者へ依頼すると、不法投棄などのトラブルに巻き込まれる恐れがあります。依頼前には、必ず業者の許可証や対応実績を確認しておくことが大切です。
サーバー処分時の注意点
処分方法を決めた後も、注意すべきポイントはいくつかあります。確認不足のまま進めると、情報漏えいや契約トラブルにつながる可能性もあります。安全にサーバーを処分するために、事前に押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
データ消去証明書の取得
業者へデータ消去を依頼する場合は、データ消去証明書を発行してもらうようにしてください。万が一、情報漏えいに関する問題が発生した際も、適切な処理を行った証拠として役立ちます。また、ISO 27001やプライバシーマークを取得している企業では、取引先や外部監査機関から廃棄記録の提出が求められる場合があります。
証明書には、対象機器のシリアル番号や消去方法、実施日時、担当者情報などが記載されているか確認しておきましょう。依頼前の段階で、どのような内容を記載できるか業者とすり合わせておくとスムーズです。
ネットワーク機器の同時処分
サーバーを撤去する際は、周辺のネットワーク機器もあわせて処分するのが効率的です。ルーターやスイッチングハブ、ファイアウォールなどには、IPアドレスやルーティング情報といった重要な設定データが保存されています。こうした情報を放置すると、社内ネットワーク構成が外部へ漏れるリスクがあります。そのため、サーバー本体と同じ基準で管理し、適切に初期化やデータ消去を行うことが大切です。
サーバーに集中するあまり、ネットワーク機器への対応が後回しになることは多く、処分後に問題が発覚するケースもあります。サーバーと同様に、初期化・設定消去を確実に実施したうえで処分を進めてください。
リース契約の有無と返却手続き
処分予定のサーバーが、実際にはリース契約中だったというケースもあります。リース機器を誤って廃棄すると、リース会社への弁償が必要になる可能性があります。さらに、データ消去の責任範囲をめぐってトラブルになることも考えられます。こうした事態を防ぐためにも、資産管理台帳だけでなく、経理部門や購買担当者とも情報を共有しておきましょう。
あわせて、リース・レンタル・自社購入の区分も正確に確認しておく必要があります。なお、リース契約では、返却時に指定された初期化手順が定められている場合があります。事前にリース会社へ確認し、手順に沿って対応してください。
まとめ
サーバー処分では、データ管理と法令遵守の両面を意識しながら進める必要があります。まずは、社内ルールの確認やデータのバックアップなど、事前準備を丁寧に行いましょう。そのうえで、情報漏えいを防ぐために、物理破壊や専用ソフトによる上書き消去など、適切な方法でデータを消去します。
また、廃棄時には信頼できる専門業者やメーカーサービスを利用し、必要に応じてデータ消去証明書も取得しておくと安心です。見落としやすいネットワーク機器の設定情報や、リース契約の有無についても確認しておきましょう。細かな点まで確認することで、安全性の高いサーバー処分につながります。
複数台のサーバーやネットワーク機器をまとめて処分したい場合や、セキュリティを確保しながら作業負担を減らしたい場合は、アールキューブの「法人向けパソコン回収サービス」もぜひご検討ください。
回収からデータ消去までを一括対応しているため、個別に業者を手配する手間を抑えやすくなります。
さらに、自社で完結するシンプルな取引形態のため、やり取りを整理しやすく、管理負担の軽減にも役立ちます。安全性と効率の両立を目指す際は、ぜひお気軽にご相談ください。



